芸事や書道、お裁縫などの上達を願って、星にお祈りをする七夕。
お子さんと一緒に七夕に飾りを作って楽しんだり、成長の証として写真に残したりして、古き良き日本の伝統を伝えていけるもの。
織姫と彦星の伝説に思いを馳せつつ、風流を味わってみるのも良いのではないでしょうか。
七夕飾り用の笹、七夕飾りの名前と作り方、七夕が終わった後の処分方法を解説します。
七夕飾りの笹はどこで買える?
七夕の笹は、花屋さん又は、ホームセンターに相談すると、手配してくれます。
ネット通販でしたら、楽天市場などの花屋さんで扱っています。
まずは、近くの花屋さんに相談してみるのをおすすめします。
七夕飾りの名前と作り方と意味
七夕の笹に飾るものには昔から、それぞれに深い願いが込められています。
短冊
早朝、硯にカラトリの葉にたまった夜露を集めて、すった墨汁で師に習った詩歌を書いて、学問や書、手習いの上達を願いました。
五色の短冊といって、赤、青、黄、緑、紫のいろ紙を短冊の形に切ったものを使います。
折鶴
家の長老の年の数だけ折り延命長寿を願いました。
折り方を習う娘たちは折り紙を通じ、教わる心、人に教える心を学びました。
①短冊、折鶴の作り方
紙衣(かみごろも)
棚機女(たなばたつめ)が織り、神に捧げたという衣で、七夕竹の一番上に吊るす習わしがあります。
昔は母や師匠に教えられ、裁縫の腕が上がるよう願いながら縫われました。
②紙衣(かみごろも)の作り方
巾着(きんちゃく)
昔金銭を入れて腰に下げたもの。富貴を願いながら、節約、貯蓄の心を養いました。
しっかりとひもで結ばれ、無駄遣いを戒めています。
③巾着(きんちゃく)の作り方
投網(とあみ)
昔から重要なたんぱく源としての魚介をかかさないよう、豊漁を祈願しました。
また、幸運を寄せ集めるという意味も含まれています。
④投網(とあみ)の作り方
屑篭(くずかご)
七つの飾り物をつくり終えた裁ちくず、紙くずを拾い集めて屑かごの中にいれました。
ものを粗末にしないで役立て、清潔と倹約の心を育てました。
⑤屑篭(くずかご)の作り方
吹流し
織姫の織り糸を象徴し、昔の織り糸を垂らした形を表して機織や技芸の上達を願いました。
くす玉を最上部飾ります。
⑥吹流しの作り方
七夕飾りその後の処分方法
七夕飾りは七日の夜に軒先から下ろします。
もともとは、この七夕飾りは海や川へ流して神様に持ち去ってもらう風習でした。
これは「七夕送り」と言いますが、現在では海や川を汚染することになるので、「七夕送り」はできません。
その地域のやり方があるので、自治会や市役所の環境課に問い合わせてみましょう。
まずは、地元の人に聞くのが良いです。
七夕飾りは、七日の夜には片づけて、竹を1m位の長さに切り、散った笹やかざりの切れ端などは、掃き集めて、可燃ゴミとしてゴミ回収車などに任せるところが多いようです。
粗大ごみの集積所にもっていく場合もありますし、翌朝、市のゴミ収集車が集めていってくれる場合もあります。
毎年のことですので、地域の皆さんに聞いて、それに従えば大丈夫です。
まとめ
七夕の物語は、中国に古くから伝わっている伝説です。
織姫星:こと座「べガ」
彦星:わし座「アルタイル」
こと座の「ベガ」、わし座の「アルタイル」、この二つの星が、年に一度、七月七日の夜に近づくところからこの伝説が生まれました。
むかし、天の帝に織姫という一人娘がいました。
年頃になった娘のために天の帝は働き者の若者の彦星と結婚させました。
神様たちの着物をつくる為に機織りをする織姫と、牛の世話して働く彦星は、結婚してから仲が良すぎて、仕事をしなくなってしまいました。
それで天の帝の怒りに触れ、天の川を挟んで会うことができなくされてしまいます。
それ以来、悲しみ続ける織姫を見て、かわいそうに思った天の帝が、1年に一度だけ七夕の日に会えるようにしてくれたという物語。
織姫星と彦星の二つの星を祭って、願う乞巧奠(きっこうてん)は、日本でも早くから取り入れられたようです。
七夕祭りは、その後もながく行われてきましたが、江戸時代の寺子屋教育の影響によって、織姫星と彦星が一年でもっとも近づく七月七日にこれを祭って、 女の子は手芸の上達を願い、男の子は手習いの上達を願いました。